子育て 心理カウンセリング

親の期待に応える「いい子」で生きつづけた結果

更新日:

子どもの不登校や摂食障害で悩むお母さん
の相談を受けることがあります。

教育熱心できちんとされたお母さんが多い
ようです。

そんなお母さんのお子さんは「いい子」が
多く、お母さんの期待に応えるために本当
の自分を抑えて頑張っています。

そうやってお母さんが求めるいい子を演じ、
自分のきもちや本当の自分をださずにいると
子どもは自信がもてなくなり、

周りが求める能力や容姿のレベルに達して
いない自分を認めることができなくなります。

何かのきっかけでこれ以上傷つくのが恐くな
ると、学校にいけなくなったり、過剰なダイ
エットに走ってしまうことがあります。

社会や環境に適応するのは大切なことですが、

過剰に適応して頑張り続けると、心や体が悲鳴
をあげてしまいます。

それでも、問題が表面化するのは必ずしも悪い
ことではありません。

今の生き方には何か無理があるよ!と教えてく
れているからです。

-

この表面化した問題の鍵をにぎるのが、人と人
の間の境界線です。

境界線を超え、お母さんが子どもの人生を生き
たり、子どもがお母さんの人生を生きていると、

二人とも自分を置き去りにしていることになり
ます。

だから、この関係はいい意味で終わりにして

お母さんが子どもを乗り越え、
子どもがお母さんを乗り越え、

健全な境界線をひけるようになることが
大切です。

過剰適応は周囲の期待にこたえ続けている
ので、一見、社会や学校に順応している
ように見えます。

私の場合、思春期は親の期待に応えたくても
応える能力がないと自分を責める一方、
親に反抗もしていたので、過剰適応の問題は
表に現れませんでした。

でも、大人になって年を重ねるごとに問題が
表面化しました。

-

「彼女は自分にやりたいことはない。
でも与えられた仕事は完璧にこなす」

十年以上前、勤めていた会社のイギリス人
社長が私を評したことばです。

「自分にやりたいことはない」
これは私の大きなコンプレックスでした。

だから社長の言葉を人づてに聞いたときは、
「やっぱりみんな気づいているんだ・・・」
とかなりショックを受けました。

それでも、私なりのやり方で期待に応えよう
と頑張りつづけた結果、限界がきて表面化
しました。

過労とストレスで不眠症になり、
アトピー性皮膚炎で顔から体まで腫れあがる
という症状にでました。

子どもの頃から「将来なにになりたいの?」
と聞かれるのが苦痛でした。

自分の中のどこを探しても、将来なりたい
ものが見つからなかったからです。

子供のころからそうだったので、
「やりたいことがない自分」は生まれつき
の性格なんだと思っていました。

さらに、本当の自分に自信がなかったので、
人の期待に応えなければ自分には価値がない
と思っていました。

人の期待に応えなければ自分に価値はない。

この思いこみをもっていると、摂食障害や
登校拒否の原因にもなりえます。

ありのままの自分を認められていないからです。

本来、自分のやりたいことがない人間なんて
いません。

誰でも必ず自分の気持ちとやりたいことが
あります。

でも親が子供の境界線を超えて過剰に干渉
したり、逆に無関心だと、

子供は親に愛されるために、自分を殺して
親の期待に応えようとし、

自分のきもちや、自分が何を感じているの
か、何がしたいのかが
分からなくなって
しまうことがあります。

だから、まず、お母さんと子どもの間に健全
な境界線を
ひくこと。

子どもが「いい子でいなくてもお母さんは
ありのままの自分を認めてくれる、愛して
くれる」

そう思えるようになると、表面化した問題は
なくなっていきます。

摂食障害も不登校も症状です。その症状を
無理に抑えこむのではなく、そうしなけれ
ばならない原因をとりのぞいていく。

あなたにもあなたのお子さんにも、
その力があります^ ^

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